「けものへん」ってどんな漢字があるの?と疑問に思ったことはありませんか?結論、けものへんは動物や人の性質まで幅広い意味を持つ奥深い部首です。この記事を読むことで、けものへんの漢字の一覧・意味・書き方・覚え方が丸ごとわかりますよ。ぜひ最後まで読んでください。
Contents
1. けものへんとは?部首の基本と成り立ち

けものへんは、漢字の左側に置かれる部首のひとつです。
「けもの(獣)」という言葉が示すとおり、動物に関係する漢字に多く使われています。
日本語を学ぶうえで、部首の意味を知ることは漢字の理解を大きく助けてくれます。
けものへんは日常的によく目にする部首のひとつであり、しっかりと理解しておくと漢字学習がぐっとラクになります。
けものへんの形と由来:「犬」から生まれた部首
けものへんは、漢字の「犬」が字形を変えたものです。
古代中国において、犬は人間にとって最も身近な動物であり、さまざまな野生動物を代表する存在として扱われていました。
その「犬」が他の漢字の構成要素として使われるとき、左側に置かれる場合に「けものへん(犭)」という形になります。
「犭」という形は「犬」の崩し字であり、点が3つ並んだように見えるのが特徴です。
書き方としては、まず縦に払う線を書き、その後に3本の短い横画(点)を加えるのが基本となります。
けものへんが表す意味の範囲:動物全般から性質・行動まで
けものへんがつく漢字が表す意味は、大きく3つに分けられます。
- 動物の名前(猫・猿・狐・狼など)
- 動物の行動・動作(狩る・獲る・猛るなど)
- 人間の性格や様子(狡い・獰猛・猥褻など)
もともとは動物を指す漢字に使われていたけものへんですが、動物の性質を人間にたとえた表現にも広く使われるようになりました。
「狡猾(こうかつ)」「獰猛(どうもう)」など、人の性格を表す言葉にもけものへんの漢字が含まれているのはそのためです。
「犬」へんとけものへんの違い:似ている部首との見分け方
「犬」という漢字そのものが部首になる場合と、「けものへん(犭)」になる場合は、見た目が似ているため混同しやすいです。
| 部首 | 形 | 主な使われ方 |
|---|---|---|
| けものへん | 犭(左側) | 動物・動物的性質に関する漢字 |
| 犬(いぬ) | 犬(下・右側) | 単独または構成要素として |
「犭」は漢字の左側にくるときの形であり、「犬」が右側や下側にくるときはそのままの形を保ちます。
たとえば「伏」「哭」などは「犬」を含みますが、けものへんではありません。
漢字を見たとき、左側に「犭」があればけものへんと判断できます。
2. けものへんの漢字一覧:よく使う字から難読字まで

けものへんがつく漢字は、常用漢字から難読漢字まで幅広く存在します。
一覧として整理しておくことで、漢字学習や調べものの際にとても役立ちます。
小学校・中学校で習うけものへんの漢字(猫・犬・狐・狼など)
学校教育で学ぶ主なけものへんの漢字を以下にまとめます。
- 猫(ねこ):小学2年生レベル。最も身近な動物のひとつ。
- 犬(いぬ):厳密にはけものへんではなく「犬」部ですが、関連して覚えると良い。
- 猿(さる):霊長類を代表する動物で、十二支にも含まれる。
- 狼(おおかみ):野性的で強い動物の代表格。「狼狽(ろうばい)」などの熟語でも使われる。
- 狐(きつね ):昔話にも多く登場し、化かす動物として親しまれている。
- 獣(けもの):「けもの」そのものを表す漢字。
これらの漢字は、動物の名前を書く場面だけでなく、比喩的な表現でも頻繁に使われます。
まずはこれらの基本的な漢字をしっかり覚えることが、けものへん学習の出発点になります。
日常でよく見るけものへんの漢字とその意味(猿・豚・狩・獲など)
日常生活や文章の中でよく目にするけものへんの漢字を紹介します。
- 猛(もう):激しい・強い。「猛烈」「猛暑」などで使われる。
- 狩(かり):獲物を追い求める行為。「狩猟」「紅葉狩り」など。
- 獲(える):手に入れる・捕まえる。「獲得」「捕獲」など。
- 猫(ねこ):ペットとして最もポピュラーな動物。
- 猛(もう):力強さや激しさを表す。
- 狭(せま):空間が狭いことを表すが、もとは追い詰めるという意から来ている。
これらの漢字は単独で使われるだけでなく、熟語の構成要素としても非常に重要です。
意味とセットで覚えることで、初めて見る熟語でも意味を推測できるようになります。
難読・珍しいけものへんの漢字(狢・貐・玁など)
けものへんの漢字の中には、読み方が難しいものや普段ほとんど目にしないものも存在します。
- 狢(むじな):タヌキやアナグマなどを指す古い呼び名。「同じ穴の狢」ということわざでも有名。
- 猯(たぬき):タヌキの古い字体。現代ではあまり使われない。
- 獫(けん):長い口先を持つ犬の一種を指す。
- 貐(ゆ):伝説上の怪獣の名前に使われる字。
これらは漢字検定の上級レベルや、古典・歴史的文書に登場することがあります。
難読漢字として知っておくと、漢字クイズや試験で差がつく知識になります。
けものへんがつく漢字の総数と画数別一覧
けものへんを部首とする漢字は、漢和辞典によって差はありますがおおよそ200字以上が収録されています。
常用漢字として指定されているのはその中の一部ですが、人名用漢字や旧字体なども含めると非常に多くの漢字が存在します。
画数別の代表例は以下の通りです。
| 総画数 | 代表的な漢字 |
|---|---|
| 5〜7画 | 犯・狂・狙 |
| 8〜10画 | 狩・狐・猛・猫 |
| 11〜13画 | 猿・獅・猟 |
| 14画以上 | 獲・獣・獰 |
画数ごとに整理することで、辞典での調べ方や書き取り練習の計画が立てやすくなります。
3. けものへんの漢字の意味と使い方:具体例で理解する

けものへんの漢字は、その字形から意味を読み解けることが多いです。
具体的な使い方を知ることで、文章読解力や語彙力の向上につながります。
動物の名前を表すけものへんの漢字(猫・猿・狐・狸・狼の意味と語源)
動物の名前を表すけものへんの漢字には、それぞれ興味深い語源があります。
猫(ねこ)
「猫」の右側「苗(びょう)」は音を表しており、猫の鳴き声「ミャー」に似た音に由来するという説があります。
古代中国では穀物を荒らすネズミを退治する動物として珍重されていました。
猿(さる)
「猿」は「えん」とも読み、木に登って素早く動く霊長類を表します。
十二支の「申(さる)」とも関連が深く、古くから人間と縁の深い動物です。
狐(きつね)
「狐」の右側「瓜(か)」は音符で、甲高い声を出す動物という意味合いがあるとされます。
日本では稲荷神の使いとして神聖視されており、化かす・賢いというイメージが強い動物です。
狸(たぬき)
「狸」は「り」とも読み、里(人里)の近くに住む動物という意味が含まれるという説があります。
「化け狸」として日本の昔話に多く登場します。
狼(おおかみ)
「狼」の右側「良(ろう)」は音符です。
群れで行動し、強く賢い動物として知られ、「狼狽(ろうばい)」「狼藉(ろうぜき)」など、ネガティブな意味の熟語にも使われます。
動物の動作・性質を表すけものへんの漢字(狩・獲・猛・獰の使い方)
動物の行動や性質を表すけものへんの漢字は、人間の行為や様子を描写する際にも幅広く活用されます。
狩(かり・シュ)
獲物を追って捕まえる行為を表します。
「狩猟(しゅりょう)」「狩り」のように使い、スポーツや遊びとしての「〇〇狩り」(いちご狩り・紅葉狩りなど)にも応用されます。
獲(える・カク)
「捕まえる・手に入れる」という意味です。
「獲得(かくとく)」「捕獲(ほかく)」など、スポーツや ビジネスの場面でも頻繁に使われる重要な漢字です。
猛(たけ・モウ)
力強く激しいさまを表します。
「猛烈(もうれつ)」「猛暑(もうしょ)」「猛練習」など、強さや激しさを強調する際に使われます。
獰(どう)
性質が荒く恐ろしいことを表します。
「獰猛(どうもう)」として使われることがほとんどで、怖ろしい野生動物や人の凶暴な様子を表現するのに使われます。
人の性格・様子を表すけものへんの漢字(狡・猥・獰猛など)
動物の性質が転じて、人間の性格や行動を表すようになった漢字もあります。
狡(ずる・コウ)
ずる賢いさまを表します。
「狡猾(こうかつ)」「狡賢い(ずるがしこい)」のように使い、自分の利益のために巧みに立ち回る様子を表現します。
猥(わい・わいせつ)
みだらであること、節度がないことを表します。
「猥褻(わいせつ)」「猥談(わいだん)」など、品位に欠ける言動を指す際に使われます。
獰猛(どうもう)
性質が荒々しく、危険なさまを表します。
「獰猛な野獣」「獰猛な性格」のように、人にも動物にも使えます。
これらの漢字は、もともと動物の性質を表していたものが、比喩的に人間の性格や行為を描写するために転用されたものです。
漢字の成り立ちを知ることで、意味の理解がより深まります。
4. けものへんを使いこなす:書き方・覚え方のコツ

けものへんの漢字を正確に書き、確実に覚えるには、いくつかのポイントがあります。
ここでは実践的な方法をご紹介します。
けものへんの正しい書き順と美しい書き方のポイント
けものへん(犭)の正しい書き順は以下の通りです。
- 左上から右下に向かって斜めに払う(最初の縦画)
- 上の短い横画(点)
- 中央の短い横画(点)
- 下の短い横画(点)
ポイントは、3本の横画(点)をバランスよく並べることです。
間隔が均等になるように書くと、見た目が整います。
また、けものへんは全体の漢字の左側1/3程度のスペースに収まるように書くのがバランスよく見えるコツです。
手書きの練習では、まずけものへんだけを繰り返し書いて形を手に覚えさせてから、全体の漢字を書くと上達が早まります。
けものへんの漢字を効率よく覚える語呂合わせ・記憶術
けものへんの漢字を効率よく覚えるためには、グループ化して覚える方法が有効です。
「動物の名前グループ」「動作グループ」「性格グループ」に分けて学習することで、意味のまとまりとして記憶に定着しやすくなります。
また、語呂合わせも効果的です。
- 「狐・狸・狼・猿・猫」→「きつね・たぬき・おおかみ・さる・ねこ」は童話の登場動物として一括りに覚える。
- 「獰猛・狡猾・猥褻」は「どうもう・こうかつ・わいせつ」とセットで「ネガティブなけものへん三兄弟」として覚える。
さらに、漢字の右側(音符・意符)と意味を結びつけて覚える習慣をつけることも大切です。
たとえば「猛」の右側「孟(もう)」は音符で読みの手がかりになります。
けものへんの漢字が使われる熟語・ことわざ・慣用句まとめ
けものへんの漢字を含む熟語・ことわざ・慣用句は日本語に数多く存在します。
代表的なものを以下にまとめます。
熟語
- 猛烈(もうれつ):非常に激しいこと
- 獲得(かくとく):手に入れること
- 狩猟(しゅりょう):動物を捕まえること
- 狡猾(こうかつ):ずるがしこいこと
- 獰猛(どうもう):性質が荒々しいこと
ことわざ・慣用句
- 「同じ穴の狢(むじな)」:同類の悪人同士のたとえ
- 「狐につままれる」:訳がわからず呆然とするさま
- 「狼少年」:嘘をつき続けた結果、本当のことを信じてもらえなくなること
- 「猫をかぶる」:本性を隠しておとなしく見せること
- 「猿も木から落ちる」:どんな名人でも失敗することがあるというたとえ
これらのことわざや慣用句を覚えることで、漢字の意味を日常会話や文章の中で自然に使いこなせるようになります。
子どもへのけものへん学習:楽しく教えるアイデアと教材紹介
子どもにけものへんの漢字を教える際は、ゲーム感覚で取り組める工夫をするとスムーズに覚えられます。
以下のようなアイデアが効果的です。
- 動物カルタ:けものへんの漢字を書いたカルタを手作りし、読み上げながら漢字を探すゲームにする。
- 動物図鑑と組み合わせる:「猿」「猫」「狼」などの漢字を学ぶとき、図鑑でその動物の写真を確認しながら書くと記憶が定着しやすい。
- 書き順アニメーション動画の活用:無料で視聴できる漢字書き順動画を使って、目と手両方で学ぶ。
- 「けものへん集め」ゲーム:本や教科書の中からけものへんの漢字を見つけて書き出す活動は、探す楽しさがあって子どもに人気。
子どもの好きな動物と漢字を結びつけることが、学習意欲を高める最大のポイントです。
好きなキャラクターや絵本に登場する動物の漢字から始めると、自然と興味が広がっていきます。
まとめ
- けものへん(犭)は「犬」が変形した部首で、動物や動物的な性質に関する漢字に使われる。
- けものへんは「動物の名前」「動物の動作・性質」「人間の性格・様子」を表す3つのグループに大別できる。
- 代表的な漢字には「猫・猿・狐・狸・狼・猛・獲・狩」などがある。
- 難読漢字には「狢(むじな)」「猯(たぬき)」など、普段目にしない字も存在する。
- けものへんを含む漢字は200字以上あり、常用漢字から旧字体まで幅広い。
- 「狡猾」「獰猛」「猥褻」など、ネガティブな意味の熟語にもけものへんは多い。
- 「猫をかぶる」「同じ穴の狢」など、日本語のことわざや慣用句にも多く登場する。
- 書き方のコツは「3本の横画をバランスよく揃えること」。
- 覚え方はグループ化・語呂合わせ・音符への注目が効果的。
- 子どもへの指導は動物図鑑やカルタなど、楽しさと学びを組み合わせると効果的。
けものへんは、動物との深い関わりの中で発展してきた日本語の豊かさを感じられる部首です。
ひとつひとつの漢字の由来や意味を知ることで、日本語がさらに面白く感じられるはずです。
ぜひこの記事をきっかけに、けものへんの漢字の世界を楽しく探求してみてください。
関連サイト
文化庁 国語施策・日本語教育