あなたは「文系の数学 重要事項完全習得編ってどのくらいのレベルなんだろう」と思ったことはありませんか？結論、この参考書は日東駒専からMARCHレベルの基礎固めに最適な一冊です。この記事を読むことで、効率的な使い方や到達レベル、次に進むべき参考書がわかるようになりますよ。ぜひ最後まで読んでください。
1.文系の数学 重要事項完全習得編の基本情報とレベル
文系の数学 重要事項完全習得編の特徴と構成
文系の数学 重要事項完全習得編は、河合出版から出版されている文系数学の基礎固めに特化した問題集です。
2024年7月に改訂版が発売され、ページ数が80ページ増加して288ページになりました。
本書は大きく2部構成になっており、前半が例題パート、後半が演習問題パートに分かれています。
例題は152題(改訂版では158題)、演習問題は120題で、合計272題の問題が収録されています。
各問題には「問題」「解答」「解説講義」「文系数学の必勝ポイント」という4つの要素が含まれており、単なる解法暗記ではなく、考え方のプロセスまで理解できる構成になっています。
数学ⅠAⅡBの全範囲をカバーしており、入試で頻出の重要テーマが厳選されているのが最大の特徴です。
対象レベルと到達偏差値
この参考書の対象レベルは教科書レベルの基礎が固まっている受験生です。
到達偏差値は全統模試基準で偏差値50〜55程度となります。
具体的には日東駒専レベルからMARCH下位学部レベルの基礎力が身につきます。
教科書の例題が理解できていれば取り組める難易度ですが、公式の導出などの解説は省略されているため、わからない部分は教科書で確認する必要があります。
本書だけで早慶レベルに到達することは難しいですが、MARCHの基本問題であれば十分に対応できる実力が養成されます。
入試基礎レベルの典型問題を中心に扱っているため、応用問題に進む前の土台作りに最適な一冊です。
問題数と学習期間の目安
例題152題と演習問題120題の合計272題という問題数は、網羅系参考書と比べるとかなり少なめです。
黄チャートと比較すると約5分の1、基礎問題精講と比べても約2.5分の1の問題数となっています。
1日5題ペースで進めれば約2ヶ月、1日10題なら約1ヶ月で1周できます。
復習を含めた完全習得までの期間は、高校3年生なら3〜4ヶ月程度を見込むとよいでしょう。
問題が厳選されているため、何周も繰り返して完璧にすることが重要です。
「黄チャートを1周するよりも、文系の数学重要事項完全習得編を5周する」という学習スタイルの方が効率的に基礎力が定着します。
他の参考書との難易度比較
レベル感としては白チャートと黄チャートの中間くらいに位置します。
基礎問題精講を要約したものが本書、といえるほど内容が厳選されています。
| 参考書名 | 問題数の比率 | 難易度 |
|---|---|---|
| 文系の数学 重要事項完全習得編 | 1 | 入試基礎 |
| 基礎問題精講 | 2.5 | 入試基礎〜標準 |
| 黄チャート | 5 | 教科書〜入試標準 |
解説の詳しさという点では、同レベル帯の参考書の中でもトップクラスです。
チャート式は問題数が多いため解説が簡潔になりがちですが、本書は解答に至る思考回路まで丁寧に説明されています。
網羅性は低いものの、解説のわかりやすさと問題の質の高さが大きな強みとなっています。
2.文系の数学 重要事項完全習得編が向いている人
基礎固めを効率的に進めたい受験生
時間がない中で効率的に基礎を固めたい受験生に最適です。
網羅系参考書は問題数が多すぎて終わらない、という悩みを抱えている人におすすめできます。
入試に本当に必要な問題だけが厳選されているため、無駄な時間を削減できます。
現役生で学校の授業と並行しながら受験勉強を進める人にとって、ちょうどよい分量となっています。
「まずは基礎を完璧にしてから応用に進みたい」という人にぴったりの一冊です。
3〜4ヶ月で基礎を仕上げて、次のレベルに進むことができる設計になっています。
チャート式で挫折した経験がある人
チャート式の分厚さに圧倒されて挫折した経験がある人に強くおすすめします。
問題数が5分の1なので、心理的なハードルが大幅に下がります。
解説が詳しいため、「解答を見てもわからない」という状況になりにくいのも魅力です。
数学が苦手で自信を失いかけている人も、この参考書なら完走できる可能性が高まります。
1冊をやり遂げた達成感は、次の学習へのモチベーションにつながります。
薄い参考書を何周もして完璧にする方が、厚い参考書を中途半端に終わらせるよりもはるかに効果的です。
日東駒専・MARCHレベルを目指す文系受験生
日東駒専からMARCHレベルを志望する文系受験生には必須の一冊といえます。
このレベルの大学で出題される基本〜標準問題のほとんどをカバーしています。
MARCHレベルであれば、本書を完璧にすれば基礎点は確実に取れるようになります。
ただし早慶レベルを目指す場合は、本書だけでは不十分なので次のステップに進む必要があります。
文系数学で高得点を狙うのではなく、確実に基礎点を取りたい人に最適です。
数学が得点源ではなく足を引っ張らない程度にしたい、という戦略にも合致します。
理系だが数学に苦手意識がある人
タイトルに「文系の」とありますが、理系の人にも活用できる良書です。
数学ⅠAⅡBは理系にとっても必須の分野であり、ここでつまずいている人は多いです。
高2の後半や高3の1学期で暗記が限界になる前に、基本の考え方を理解し直すのに最適です。
解法を丸暗記するのではなく、「なぜそう解くのか」という思考プロセスが学べます。
理系で数Ⅲに進む前に、ⅠAⅡBの基礎を固め直したい人におすすめです。
ただし数Ⅲは含まれていないため、理系の場合は別途「数学III 重要事項完全習得編」などが必要になります。
3.効果的な使い方と勉強法
例題と演習問題の取り組み方
基礎問題精講などで基礎を学んだ後なら、演習問題メインで進めるのがおすすめです。
例題の内容は基礎レベルの参考書とほぼ同じなので、既に学習済みなら重複してしまいます。
効率を重視するなら、演習問題を解いてわからなかった時だけ例題を参照する方法が有効です。
一方、これが初めての本格的な受験勉強という人は、例題から順番に進めてください。
演習問題は必ずしも例題の類題ではなく、別の重要解法を扱っている場合もあります。
問題を見て5秒以内に解法が思い浮かばなければ、潔く解答を見ることが重要です。
必勝ポイントと解説講義の活用法
「解説講義」と「必勝ポイント」を読む作業は絶対に飛ばしてはいけません。
解説講義では、その問題を解く上で必要な基礎知識や考え方のプロセスが説明されています。
必勝ポイントは、解法を一般化して抽象度の高い形でまとめたものです。
この必勝ポイントを理解することで、他の問題にも応用できる汎用性の高い知識が身につきます。
解答を見てわかったつもりになるのではなく、必ず解説講義と必勝ポイントを熟読してください。
これらを自分の言葉でノートにまとめ直すと、さらに理解が深まります。
復習サイクルと定着のコツ
1周目で解答を理解したら、実際に手を動かして答案を作成することが重要です。
「理解しては答案作り」を繰り返すことで、知識が定着していきます。
このとき解答をチラチラ見ながらでも構いません。
2周目以降は、何も見ずに最初から最後まで自力で解けるかをチェックします。
理想的な復習サイクルは「翌日・3日後・1週間後・2週間後」のタイミングです。
最低でも3周、できれば5周は繰り返して完全に自分のものにしてください。
復習の時はすぐ解けるのに、模試では解けないという状態は理解が浅い証拠です。
間違えた問題の分析方法
間違えた問題には必ず印をつけて、なぜ間違えたのかを分析してください。
「解法を知らなかった」「計算ミス」「考え方の方向性が違った」など、理由を明確にします。
「この問題を一言でまとめるとこういうこと」というまとめを作るクセをつけましょう。
解法を導くまでのプロセスを頭の中で整理することで、初見の問題にも対応できるようになります。
間違えた問題だけを集めた「弱点ノート」を作るのも効果的です。
試験前にそのノートを見返すだけで、自分の苦手分野を効率的に復習できます。
4.次のステップとつなげ方
完全習得編の後に取り組むべき参考書
本書を完璧にした後は、文系の数学 実戦力向上編に進むのが王道ルートです。
同じシリーズなので解説のスタイルが統一されており、スムーズに移行できます。
ただし実戦力向上編は難易度が上がるため、挫折する人も少なくありません。
時間に余裕があれば、青チャートや黄チャートで網羅性を補強するのもおすすめです。
青チャートなら「重要事項完全習得編の例題→青チャート」という接続が効率的です。
早慶レベルを目指すなら「チャート式」または「きさらぎ先生の数学」シリーズが適しています。
志望校レベル別の学習ルート
日東駒専レベルなら、本書だけで十分な基礎力が身につきます。
あとは過去問演習で傾向をつかめば合格点に到達できるでしょう。
MARCHレベルなら、本書の後に実戦力向上編または青チャートの例題に進んでください。
これで標準問題まで対応できる力が養成されます。
早慶レベルを目指すなら、本書→青チャート→文系数学の良問プラチカという流れが理想です。
時間がない場合は、本書→実戦力向上編→過去問という最短ルートも選択肢です。
実戦力向上編への接続の注意点
文系の数学 実戦力向上編は、重要事項完全習得編よりも難易度が予想以上に高いので注意が必要です。
多くの生徒がこの接続で挫折しがちという報告があります。
重要事項完全習得編を完璧にしても、実戦力向上編が難しすぎると感じたら無理に進まないこと。
その場合は青チャートや標準問題精講など、別の参考書で基礎を補強してから戻ってくるとよいでしょう。
MARCHレベルまでなら実戦力向上編は必須ではなく、過去問演習に直接進んでも問題ありません。
自分のレベルと志望校を見極めて、最適なルートを選択することが大切です。
過去問演習への移行タイミング
重要事項完全習得編を一通りマスターしたら、一度志望大学の過去問を解いてみることをおすすめします。
合格最低点と現在の実力のギャップを確認することで、今後の学習方針が明確になります。
MARCHや関関同立レベルなら、本書完成後に過去問演習に移る十分な実力が身についています。
過去問で6割以上取れるなら、あとは過去問演習で傾向対策を重ねれば合格圏に入れます。
逆に5割以下なら、もう1ランク上の参考書で実力を補強する必要があります。
早慶レベルの場合は、本書だけでは明らかに不足なので、必ず次のステップに進んでください。
まとめ
文系の数学 重要事項完全習得編についてのポイント
- 日東駒専からMARCH基礎レベルに対応した入試基礎固めの決定版
- 例題152題・演習問題120題の合計272題で効率的に学習できる
- 到達偏差値は全統模試基準で50〜55程度
- 黄チャートの5分の1、基礎問題精講の2.5分の1の問題数で時間短縮
- 解説講義と必勝ポイントで考え方のプロセスまで理解できる
- チャート式で挫折した人や時間がない現役生に最適
- 文系だけでなく理系で数学に苦手意識がある人にもおすすめ
- 完璧にすれば3〜5周の反復学習が効果的
- 次のステップは実戦力向上編か青チャートがおすすめ
- MARCHレベルなら本書完成後に過去問演習に進める
文系の数学 重要事項完全習得編は、効率的に基礎を固めたいあなたにとって最高の一冊になるはずです。この参考書を完璧にマスターして、志望校合格への確実な一歩を踏み出してください。
関連サイト
