あなたは「国立大学にもFランクって存在するの?」と疑問に思ったことはありませんか?
結論、国立大学にFランクは存在しません。
この記事を読むことで国立大学とFランクの違い、偏差値が低い国立大学の実態、地方国立大学の本当の価値がわかるようになりますよ。ぜひ最後まで読んでください。
1.国立大学にFランクは存在しない理由

Fランクの定義と国公立大学の違い
Fランクとは、一般的に偏差値35未満の大学や、ボーダーフリー(BF)と呼ばれる合否判定ができない大学を指す俗語です。
河合塾が設定したBF(ボーダーフリー)という分類が元になっており、定員割れや極端に偏差値が低い私立大学を指すことが多くなっています。
しかし、国公立大学には制度上の最低基準が設けられているため、私立大学のようなFランクは存在しません。
文部科学省が定める設置基準をクリアし、共通テストを課すなど一定の学力が求められるのが国立大学の特徴です。
そのため、偏差値が低く見える国立大学であっても、Fランクという言葉で一括りにすることは適切ではないのです。
国立大学の入試制度と最低基準
国立大学の入試には、文部科学省が定める明確な基準が存在します。
すべての国立大学で大学入学共通テストの受験が必須となっており、これが私立大学との大きな違いです。
私立大学の一般入試が3教科程度で受験できるのに対し、国立大学では5教科7科目以上の共通テストが課されます。
さらに、共通テスト後には各大学独自の2次試験が実施され、記述式問題や面接、小論文などで総合的な学力が評価されます。
この入試制度により、国立大学には一定以上の学力を持つ学生しか入学できない仕組みが確立されているのです。
共通テスト5教科7科目の壁
国立大学受験における最大のハードルが、共通テスト5教科7科目という科目数の多さです。
具体的には、国語、数学(2科目)、理科(2科目)、外国語、地歴公民という構成で、幅広い知識が求められます。
私立大学が得意科目に絞った受験が可能なのに対し、国立大学では苦手科目も含めて全体的な学力が必要となります。
偏差値40前後の国立大学であっても、共通テストで4割以上の得点が求められるため、全く勉強せずに合格することは不可能です。
この5教科7科目という壁が、国立大学に「誰でも入れる」大学が存在しない理由の一つとなっています。
国立大学の設置基準と教育の質
国立大学は、文部科学省が定める厳格な設置基準をクリアしなければ認可されません。
教員数、校舎面積、図書館蔵書数、研究設備など、教育環境に関する詳細な基準が設けられています。
また、国立大学は国からの運営費交付金を受けており、教育と研究の質を維持する責任があります。
授業料が全国一律の標準額(年間535,800円)で設定されていることも、教育の質を一定水準に保つための仕組みです。
これらの制度により、偏差値の高低にかかわらず、国立大学では一定以上の教育の質が担保されているのです。
2.偏差値が低い国立大学の実態

「底辺国立9大学」という言葉の真相
インターネット上では「底辺国立9大学」という言葉が散見されますが、実態は非常に曖昧で明確な定義は存在しません。
単純に偏差値が低い9大学を指すわけではなく、何をもって「底辺」とするのか根拠が不明確なレッテルに過ぎません。
一部の動画配信者やネット掲示板で言及される大学として、琉球大学、岡山大学、山口大学、愛媛大学、香川大学、高知大学などが挙げられることがあります。
しかし、これらの大学はいずれも地域の中核的な教育・研究機関として重要な役割を果たしています。
「底辺」という言葉は、大学の多面的な価値を偏差値だけで測る一面的な評価であり、適切な表現ではありません。
偏差値40前後の国立大学はどこか
国立大学の中でも、一部の学部では偏差値が40前後となるケースがあります。
代表的な例として、北見工業大学(偏差値35.0)、室蘭工業大学(偏差値37.5~40.0)などの工業系単科大学が挙げられます。
また、地方国立大学の特定学部では、定員確保のため偏差値が低めに設定されることもあります。
ただし、偏差値が低いからといって教育の質が低いわけではありません。
これらの大学は特定分野での専門性が高く、地元企業との連携による実践的な教育が行われているため、就職率も高い水準を維持しています。
定員割れが起きた国立大学の事例
国立大学でも、年度によっては定員割れが発生するケースがあります。
令和5年度には、大阪大学外国語学部インドネシア語専攻で受験者全員が合格(倍率1.00倍、得点率30.31%)という事例がありました。
また、島根大学生物資源科学部では受験倍率0.90倍となり、受験者全員が合格した年度もあります。
過去には秋田大学鉱山学部が定員割れとなり話題になりましたが、その後学部再編が行われています。
ただし、定員割れ=Fランクではありません。これは特定年度・特定学部での一時的な現象であり、翌年には通常の倍率に戻ることが多いのです。
地方国立大学と都市部国立大学の偏差値差
地方国立大学と都市部国立大学では、確かに偏差値に差が見られます。
東京大学、京都大学などの旧帝国大学は偏差値60~70台である一方、地方国立大学では偏差値40~50台となる学部も存在します。
この偏差値差の主な要因は、都市部への人口集中と受験生の志望動向にあります。
しかし、偏差値が低い=大学の価値が低いという等式は成立しません。
地方国立大学は地域密着型の教育を行い、地元企業や自治体との強いパイプを持っており、その地域では最も信頼される教育機関として機能しているのです。
3.国公立大学と私立Fラン大学の比較

学費の違いと経済的メリット
国公立大学と私立大学では、学費に大きな差があります。
国立大学の4年間の学費総額は約242万円(入学金28万2千円+授業料53万5,800円×4年)です。
一方、私立大学文系では約443万円、理系では約573万円、医歯系ではなんと約3,232万円もかかります。
国立大学は私立大学文系の約1.8倍、理系の約2.4倍も安い計算になります。
さらに、国立大学には施設設備費がなく、授業料も全国一律で学部による差がほとんどないため、経済的負担を大幅に抑えられるメリットがあります。
就職率と就職先企業の質の差
国立大学と私立Fラン大学では、就職率と就職先の質に明確な違いがあります。
地方国立大学の就職率は95~98%台と非常に高く、北見工業大学98.3%、琉球大学95.7%などの実績があります。
就職先も、地元の優良企業や大手企業の地方拠点、公務員など安定した職場が多くなっています。
一方、私立Fラン大学では就職率そのものが低く、就職先も中小企業や非正規雇用の割合が高い傾向にあります。
国立大学卒という学歴は、特に地方では強力なブランド力を持ち、採用担当者からの信頼も厚いのです。
教育環境と研究設備の比較
国立大学と私立Fラン大学では、教育環境と研究設備に大きな差があります。
国立大学は国からの運営費交付金により潤沢な研究費を確保しており、最新の実験設備や充実した図書館を整備しています。
敷地面積も広く、特に地方国立大学では都市部の私立大学では得られないような広大なキャンパスを持つケースも多くあります。
また、教員一人あたりの学生数が少なく、きめ細かい指導が受けられる環境が整っています。
一方、私立Fラン大学では経営難から設備投資が後回しにされ、教育環境の質が低下しているケースも見られます。
卒業後の進路選択の幅
国立大学卒業生は、卒業後の進路選択において幅広い選択肢を持てます。
大学院進学率が高く、研究者や専門職への道も開かれています。
地方国立大学でも、旧帝大や東京の大学院へ進学する学生が一定数おり、学歴ロンダリングの機会もあります。
就職においても、地元優良企業、大手企業、公務員、教員など、多様な進路が用意されています。
私立Fラン大学では選択肢が限られがちですが、国立大学卒という学歴は全国どこでも一定の評価を受けられるのです。
4.地方国立大学の本当の価値

地域密着型教育の強みとは
地方国立大学の最大の強みは、地域に根差した実践的な教育にあります。
地元の産業や課題に直結したカリキュラムが組まれており、実社会で即戦力となる人材を育成しています。
例えば、農学部では地元の農業課題に取り組む研究、工学部では地域企業との共同研究プロジェクトなどが盛んです。
地元の歴史や文化を深く学べるのも地方国立大学ならではの魅力です。
このような教育を通じて、地域社会に貢献できる人材として成長できる環境が整っているのです。
地元企業や自治体との連携による就職優位性
地方国立大学は、地元の有力企業や自治体との強固なネットワークを持っています。
その地域で最も信頼される大学として、長年にわたる採用実績と卒業生の活躍があります。
地元企業の採用担当者には国立大学OB・OGが多く在籍しており、学内説明会や推薦枠が設けられることも少なくありません。
地方自治体の職員採用でも、地元国立大学出身者が有利に働くケースが多々あります。
都市部の有名私立大学では得られない、地域における圧倒的な就職優位性を持っているのです。
資格取得や専門教育の実績
地方国立大学では、教員免許、看護師、薬剤師、獣医師などの資格取得に強みを持っています。
教育学部は全国でもトップクラスの教員輩出実績を誇り、広島大学教育学部などは特に高い評価を受けています。
医学部・薬学部・獣医学部では、国家試験合格率が私立大学と同等以上の実績を上げています。
工学部や農学部では、実践的な実験・実習を通じて専門技術を習得でき、技術者としての基礎を固められます。
これらの資格や専門性は、大学名以上に就職や開業において重要な価値を持つのです。
偏差値では測れない大学選びのポイント
大学選びにおいて、偏差値だけを基準にするのは非常に危険です。
自分が何を学びたいのか、どんな環境で学びたいのか、卒業後どんな進路を目指すのかを明確にすることが重要です。
地方国立大学は、学費の安さ、少人数教育、地元就職の強さ、専門性の高さなど、偏差値では測れない多くの価値を持っています。
「有名大学に行けなかったから」と落ち込むのではなく、「自分に最も適した環境はどこか」という視点が大切です。
後悔しないキャリア設計のためには、自分の目標と照らし合わせて最適な進路を選ぶことが第一歩となります。
まとめ
この記事の重要なポイントをまとめます。
- 国立大学にFランクは存在しない理由は、共通テスト5教科7科目という高いハードルと文部科学省の設置基準があるため
- 偏差値が低い国立大学でも一定の学力が求められ、「誰でも入れる」わけではない
- 国立大学の学費は私立大学の約半額であり、4年間で200万円以上の差がある
- 地方国立大学の就職率は95~98%台と高く、地元企業や自治体への就職に圧倒的な強みを持つ
- 「底辺国立9大学」という言葉は明確な定義がない不適切なレッテルである
- 教育環境と研究設備は国立大学が充実しており、少人数教育によるきめ細かい指導が受けられる
- 地方国立大学は地域密着型教育により実践的なスキルが身につく
- 資格取得や専門教育の実績が高く、偏差値以上の価値を持つ
- 大学選びでは偏差値だけでなく、自分の目標や適性に合った環境を選ぶことが重要
- 国立大学卒という学歴は全国どこでも一定の評価を受けられる
大学選びは人生を左右する重要な決断です。
偏差値や世間の評判に惑わされず、あなた自身の目標や価値観に合った大学を選んでください。
地方国立大学には、都市部の有名大学にはない独自の強みと魅力があります。
自分の未来をしっかり見据えて、後悔のない選択をしてくださいね。
関連サイト
文部科学省(国立大学の設置基準や学費に関する公式情報)
https://www.mext.go.jp/